あなたから買う理由は無い ― SEOの落とし穴
アフィリエイトで稼ぐために一番重要なポイント
蔓延している間違えた考え方
ネットビジネスをテーマにした記事の多くは「集客」に重点をおいたものが多い。
つまり、
・サイト訪問者のX%が見込み客
・見込み客のY%が商品を購入する
よって、
「SEOを駆使して検索での訪問者を稼ぎ、その商品のメリット/デメリットを含め、訪問者が知りたいことや役立つ情報を充実させれば良い」
というというものだ。
そして
「良質なコンテンツとは? Wordpressを使ったSEOとは?」
というノウハウへと話題が移っていく。
だが、良質なコンテンツを検索上位に送り込むことが、売り上げをあげる上での最重要ポイントなのだろうか?
答えはNOだ。
ネットビジネスの肝はそこではない。
自分の購買行動を考えてみる
ここである商品をネットで買うときの自分の行動を想像してみよう。
あなたはある商品のアフィリエイトをやっているが、サイトの訪問者が増えないことに悩んでいると仮定しよう。
日々、色々な情報を集める中で、あるサイトで劇的に訪問者を増やす「集客くん」というツールを発見したとする。(もちろん仮想の商品だ。)
サイトには十分な情報がわかりやすく掲載されていて、理屈から考えても納得できる仕組みだし、実際に「集客くん」を使っているというそのサイトの訪問者数推移もGoogle Analyticsの結果から見て疑う余地は無い。
さて、サイトの記事を全部読み終わったあなたは次にどういう行動を起こすだろう?
サイトに貼られた「集客くん」のリンクをクリックして、「集客くん」のサイトへ行ってみるのではないだろうか?
「集客くん」のサイトには、ひと通りの説明があり、ユーザーの喜びの声がいくつも掲載されている。
書かれている内容は、さっき見たサイトにすべて記載されているものであり、さっき見たサイトの方がデメリットの説明を含め正直な情報がより豊富に記載されていた。
「集客くん」のページを読み終えると、一番下に購入申し込みボタンが付いている。
さあ、あなたはここで購入ボタンを押すだろうか?
まだ押さないだろう。
今度は「集客くん」で検索してみるはずだ。
その理由は簡単だ。
・「集客くん」の評判をもっと見てからにしたい。特に悪評が無いか知りたい。
・「集客くん」より機能の高いものが無いか知りたい。
からだ。
そして、「集客くん」に悪い評判がないことを確認し、その効果に納得したところで、ようやく購買行動に移る。
このとき、最初に見た紹介サイトにわざわざ戻って、そこから「集客くん」のページに行ったりすることはしないだろう。
つまり、この時点で、最初に見たサイト運営者にしてみれば自分のアフィリエイトからは買ってもらえないのである。
この行動は、あなただけではない。
ごく一般的な購買パターンだ。
ではなぜ、結局「集客くん」を買ったあなたを、最初に見たサイトは逃してしまったのだろうか?
検索で1位に掲載され、良質なコンテンツを掲載していたにもかかわらず、なぜあなたは最初に見たサイトから買わなかったのだろうか?
理由は簡単だ。
「そのサイトから買う理由が無い」
からだ。
わかっただろうか?
検索で順位を上げて、良質なコンテンツを提供したとしても、「あなたから買う理由」が無ければ、訪問客は勝手にネットを回遊して、落ち着いたところで買ってしまうのである。
アフィリエイトで稼ぐために一番重要なことは、SEOを学んで検索順位を上げることでもなく、良質なコンテンツを書くために調べたりわかりやすい記事を書くことでもない。「あなたから買う理由」を作ることなのだ。
「あなたから買う理由」を作る2つの方法
ネットで物を買うとき、あなたが実際に購買行動のフェーズに移るにはなんらかの理由があると思う。
それはいったいなんだろう?
例えば、ある本が欲しかったとしよう。
あちこちのサイトでその本が紹介され、中にはアフィリエイトのリンクを張っているものもあるだろうし、アドセンスがしつこくその本の広告を表示するかもしれない。
だが、結局行きつくところはAmazonだったりしないだろうか?
この理由は2つだ。
・Amazonなら安心して買うことができる。
・Amazonだと中古で安い本も出ている。
つまり、Amazonには「Amazonで買う理由」があるわけだ。
かわいそうな話だが、一生懸命その本に関するコンテンツを必死になって充実させている多くのサイトは、参考にされるだけで、自分のサイトからは買ってもらえない。
いくら努力しようともアフィリエイトとしては完全に失敗だ。
(ここでは例え話がややこしくなるので、クッキーについては無視する)
では、どうやればあなたのサイトに「あなたから買う理由」を作り出せるのだろうか?
ここでは2つの「あなたから買う理由」の作り方をお話しよう。
それは
1.その道のオーソリティーとしてオウンブランドを作り上げる。
2.特典を用意する。
の2つである。
1.その道のオーソリティーとしてオウンブランドを作り上げる。
これはなかなか難しいし、時間も掛かるのだが、強力な方法だ。
例えば、もう故人ではあるがジョブスが
「iphoneにはこれがとても相性がいい」
などと発言しようものなら、iphoneファンは迷うことなく、とにかく売っているサイトを見つけて即買いするだろう。なぜなら、売り切れてしまうことの方が怖いからだ。
石川遼がブログで「このグローブを使うと良く飛ぶんです」なんて言えば、ゴルファーの多くは直行で即買いするだろうし、浅田真央が「これでエッジを研ぐとコントロールしやすいんです」 なんて紹介すれば、やはり直行便だ。
だからといって、有名人でなくてはならないわけではない。
これは美容系のアフィリエイトでの話になるが、あるマイナーなアレルギーを持つ女性が、自身のサイトで、いろいろな美容商品を試した記事を掲載しているサイトは高確率でアフィリエイトに成功している。
これは、その人と同じアレルギーを持つ女性にとっては、「もっとも信憑性のある情報」であり、「きれいになる」とか「肌に張りがでる」とかの効能よりも重要な要素だからだ。
いくら一般の人には良い商品であっても、その人が試した結果、アレルギーが出てしまったら、同じアレルギーを持つ女性にとっては無価値な商品なのである。
一方、同じアレルギーを持つ女性にとっては、その人が「実際に使ってみて良かった」という商品の範囲でしか選択肢が無いのも同然であり、同じアレルギーを持つ女性は、その人のサイトのファンとなり、その人が薦めるものを買うようになる。
アレルギーを持つ女性にとって、「試してみたら顔に湿疹が出た」なんて冒険はできないからだ。
アフィリエイトの経験者ならわかると思うが、有名アフィリエイターが自分のサイト構築に使っていると紹介されると、ついそのツールに手が出てしまうだろう(もちろん、この場合、相手がアフィリエイターだから、悪徳商材だったりする場合が多いのだが)。
どちらも、本名すらわからないブロガーに過ぎない。
つまり、無名であっても、あるニッチな分野で信頼されるように記事を書き溜め、自分というブランドを作り上げるのである。
ここでキーとなるのが、ニックネームである。
いくら専門性の高い良い記事を書き溜めても、覚えてもらい、広めてもらうためにはニックネームが重要なのだ。
「●●のブログにこんなことが出てたよ」
「●●が薦めるなら買おうかな」
の●●の部分が無いと、頭に残らないのである。
ニックネームが力を持つと、検索のときに、ダイレクトにそのニックネームで検索されるようになる。
ニックネームで検索されるようになったとき、それがあなたのブランドが確立したときだ。
「エルメスのバッグが欲しい」
「シャネルのサングラスが欲しい」
「ヴィトンの財布が欲しい」
別次元の話のように思えるかもしれないが、
ブランド=ニックネーム
なのだ。
2.特典を用意する。
これは、やっていいASPと、禁止しているASPがあるから.、ちゃんと利用規約を確認する必要がある。
たとえば、大手の例を挙げると、A8ネットでは購入者への利益享受は禁止されているが、infotopは登録制で特典を認めている。
ここでは、特典を認めているinfotopの例で説明する。
はてなブログでは使えないツールだが、infotopから「カエテン(KAETEN)」という無料ブログ用のSEOテンプレートが販売されている。
「カエテン」でも「KAETEN」でもいいので、検索してみると山ほどサイトが出てくるはずだ。
それぞれのサイトを見ると、自サイトからの購入者に特典をつけるというサイトが目立つ。
これがここで言う特典である。
良い特典を用意しておけば、この商品に興味を持った訪問者は、ネットを回遊した後、購入することを決めると、特典欲しさに、わざわざ、あなたのサイトに戻ってきて、そこから購入するわけだ。
これも
「あなたのサイトから買う理由」
である。
つまり、先ほどのAmazonの話のように、その商品をネット検索した結果、他の検索上位のサイトや、優良なコンテンツを提供しているサイトはすべて参考として読まれるだけの存在となり、最終的に買うときは、あなたのサイトから買うようになるわけである。
まとめ
アフィリエイトで稼ぐ気なら、大事なことはSEOやコンテンツなどではない。一番重要なことは「あなたから買う理由」を作り出すことだ。
「あなたから買う理由」があれば、他の検索上位サイトや優良コンテンツ提供サイトから購買行動を奪い取ることができる。
ここでは、「あなたから買う理由」の2つの例を示したが、「あなたから買う理由」の作り方はこれだけではない。
また、記事を改めて、過去の実験例なども掲載していこうと思う。