Googleのリンク評価方法 - ナチュラルリンクの落とし穴
GoogleはPagerankの更新をやめており、もはやPagerankは検索順位決定においてなんの意味も持たないことを
Googleのページランクはすでに死んでいる。 - アフィリエイトで稼ぐには|初心者がブログで儲けるコツと考え方を全公開
で紹介した。
だからといって、リンクを評価しなくなったというわけではない。
コンテンツが最重要であることに変わりは無いが、いくつかの実験から現在も外部リンクを評価していることがわかる。
リンクに対する評価方法はGoogleの考え方の根幹にもなっているものであり、特許まで取得していることからも、Googleが検索順位決定において、リンク、いわゆる外部SEOを評価項目から外すことは今後も考えられないだろう。
特許 US6285999 - Method for node ranking in a linked database - Google 特許検索
では、どのように評価しているのか。
ここでは、Googleの特許に基づいて、
- 危険な被リンク(ナチュラルリンクの落とし穴)
- Googleのリンクに対する考え方
について話をしようと思う。
-
危険な被リンク(ナチュラルリンクの落とし穴)
まず、下の2つの図を見ていただきたい。
この2つの図を見て、
- Fig.1は、Googleは特許の計算式でスパムとして検出し、自分のサイトはGoogleからペナルティーを受けて検索順位が下げられる。
- Fig.2で、Googleの特許の計算式は、サイトAとサイトCを同じリンク価値として算出し、サイトBだけが低い評価となる。
この2つがわかる人は、これから先の話は既知のことだろうから、読み飛ばしてもらった方がいいだろう。
Fig.1は、アフィリエイト初心者が良くやる間違いであり、サテライトサイトを大量に作って、自分のメインサイトにリンクを張るというモノである。
これをやると、Googleからペナルティーを受けて、検索順位を下げられたり、検索対象から削除されてしまう。
ただ、健全にサイトを運営して、いわゆるナチュラルリンクを集めても同じようにスパムとしてGoogleに判定されてしまうから、被リンクを受ける上でも注意が必要だ。
もし、自分の記事がバズった後で、急に検索順位が下がったら、まず間違いなくFig.1の状態になっていることでのペナルティーとして、Googleに検索順位を下げられたと思っていいだろう。
これは実際、数年前にわたしが経験したことだが、infotopのあるツールをわたしのブログでアフィリエイトした際、そのツールを使った裏技を特典とし、メルマガを流した。
あなたから買う理由は無い ― SEOの落とし穴 - アフィリエイトで稼ぐには|初心者がブログで儲けるコツと考え方を全公開
で解説した、「わたしから買う理由」を作ったのだ。
(残念ながら、そのツールはわたしが作ったものではないし、現在は販売されていない)
このツールが非常に秀逸だったことと、わたしが特典として用意した裏技が非常に効果的だったせいで、このツールはわたしのサイトから、すごい勢いで売れていった。
しかし、数週間後、相変わらずこのツールが売れ続ける一方で、わたしのサイトに掲載していた他の商品がそろいもそろってガクンと売れなくなってしまった。
ひとつのサイトで、あるものは好調に売れているのに、他のものは急に売れなくなる― 正直、この時は原因がわからず、リンク切れを最初にチェックした。
調べてみて、わかったこと。
原因は、それまで3位以内で安定していた検索順位が、64位にまで下がっていたのだ。
その原因がFig.1である。
わたしからツールを買った人たちが、ブログでわたしのサイトを一気に紹介したせいで、わたしのサイトはFig.1の状態になり(2ティア制を使ったことも関わっているのだが本論とは無関係なので、割愛する)、Googleからペナルティーを受けて、大幅に順位を下げられてしまっていた。
だが、わたしがそのツールを掲載しているページは、他の人からのリンクをたどって多くの人が集まったせいで、売れ行きは落ちなかったのである。
時間はかかったが、Googleにスパムではない説明を送ってペナルティーが解除されたことで、検索順位は元に戻ったが、
「ナチュラルリンクでもスパムとして判定されてしまうことがある」
ということを身をもって知った経験である。
ここで、知っておいて頂きたいのは、
「ナチュラルリンクでも、Googleはスパムとして判定してしまうことがある」
ということだ。
もちろん、これはすぐに解除してもらえるので、急にサイトの検索順位が大幅に落ちたら、忘れずにこの可能性もチェックすることをお勧めする。
さて、Fig.2についてであるが、ここで
- サイトAは、BとCに発リンクを出し、Cからのみ被リンクを受けている。
- サイトBは、Cに発リンクを出し、Aからのみ被リンクを受けている。
- サイトCは、Aにのみ発リンクを出し、AとBから被リンクを受けている。
単純に考えると、
2つの被リンクを受け、発リンクを1つしか出していないサイトCが一番評価が高く思えるだろうが、Googleの特許に基づいた評価では、サイトCとサイトAは同じ評価になる。
2 Googleのリンクに対する考え方
ここからは、理系であれば高校2年で習う行列式が出てくるので、文系で行列式を習っていない人には、ちょっとキツイかもしれないが、できるだけ感覚的にわかるように解説する。
英語が理解できて、行列式がわかる人は上で引用したGoogleの特許の原文を是非読んで欲しい。おそらく、その美しさに感動するだろう。
行列式自体は、難解なものではなく、普通に中間テストで出る問題よりも易しい。
まず、基本の考え方として、
「総和は常に1」
ということを根本においている。
世界中に何兆ページのサイトがあろうとも、いつも総和は1なのである。
その1の中で、各ページのリンクを相対評価するものが、Google特許の行列式である。
基本式は、
{ベクトル}[行列]
である。
Fig.2を使って説明すると、
まず、ベクトル部分については、A、B、C、ともに、均等であり、かつ、総和が1であるため、すべて1/3となり
となる。
次に、行列部分は、各サイトの発リンクと被リンクを、総和1の条件であらわす。
具体的には、
・横方向の行に発リンク
・縦方向の列に被リンク
を総和1の条件で書くと
となる。
どの行も、どの列も、その総和は1になっているのがわるだろう。
よって、計算式は
となり、
ここから計算されるA、B、C、はそれぞれ
A=1/3
B=1/6
C=3/6
となる。
行列式を知っている人には簡単な計算なのだが、知らない人は、ここはこうなるとだけ理解してくれればいい。
ここでも、
A+B+C=1
になっていることは、わかるはずだ。
Googleの考え方は 、この計算が収束するまで繰り返す。
つまり、次に上で算出されたA、B、C、を新しいベクトルとして置いて、同じ行列式を掛け合わせるのである。
具体的に書きあらわすと
である。
図や式はすべてPowerpointで書いているのと、以下の式をすべて書き表すことは無意味だから途中は省略させて頂くが、この式は42回目で収束し、
A=2/5
B=1/5
C=2/5
となる。
つまり、Fig.2は
となり、サイトAとサイトCの評価は同じ2/5となる。
・・・、疲れたので、続きはまた明日書き加える。
ここまでを理解した人は、ある2つの疑問をもつと思う。
その疑問を美しく解消したものが、
Googleの最終的なリンク評価式であり、
それが理解できると、
なぜ、Googleはスパムリンクを抽出できるのか
なぜ、ナチュラルリンクがスパムとして間違われることがあるのか
どうやれば外部リンクの効果を高められるのか
ということがわかる。
理屈の上では、この逆を考えると、上位を狙うリンク構成になる。